認知症の症状のひとつに収集癖がある

何か特定のものを集めたり、コレクションが好きな人は自分で「収集癖がある」と言ったりしますが、認知症の病状としても「収集癖」が存在するのをご存知でしょうか。

高齢化社会が加速している日本において、認知症は他人事ではありません。

ここでは認知症における収集癖とはどういう状態か、家族はどう対応したらいいのかご紹介します。

認知症の方がものを集める理由

収集癖が認知症の症状のひとつである理由に、認知機能が衰えて判断力が鈍くなり必要か不必要かを自分で判断することが出来なくなることが挙げられます。

心理としては、物を集めることで孤独感を解消したい、周囲の注目を引きたいという気持ちや、戦中や戦後などの物不足の記憶から物を取っておきたいという気持ちなどが働いていると考えられます。

例えば収集物の具体例としてティッシュ、トイレットペーパー、紙タオルなどの「紙類」がよくありますが、1973年頃のオイルショックの経験ゆえに「非常時に備えておかなければ」と思うためかもしれません。

収集癖のある認知症の家族にどう対応したらいいか

家族や他の人にとっては不要なものに見えるものでも、本人にとっては意味のあるものを集めていることがほとんどです。

毎日同じ場所に集めてしまっているような場合は良く記憶しているので、勝手に捨ててしまうと、泥棒が入ったと騒いだり余計症状が悪化する可能性があります。

不衛生なものや危険な物でないのであれば本人の思うようにさせておきましょう。

どう見てもごみである場合は、捨てたほうがいいということをきちんと話すと納得できることもあります。

それでも集めてしまうような場合は一度に捨てるのではなく本人が気づかないうちに少しずつこっそり捨てるようにしましょう。

本人の行動をよく観察して、集めている理由を聞いてみるのもいいでしょう。

寂しさからものを集めてしまうような場合は、家族と長く過ごす時間を持てるようにしてあげることも大切です。

物がいっぱいになっていないと不安になってしまうという方の場合は、しまってある場所を満杯にしたり、整理して環境を整えてあげることでと収集癖が改善されたということもあります。

あまりに深刻で他人に迷惑をかけてしまうような場合は専門医を受診してみましょう。

服薬で改善できる場合もありますし、また、これがなくなったら大変だという心理に極度に苛まれる「強迫性障害」という精神障害の可能性もあります。

「収集癖も認知症の症状のひとつである」と理解し、本人にきつくあたるようなことはしないようにしてくださいね。